光の種類
「光」は電磁波の一種で、波長によって物体に及ぼす化学反応が異なります。
波長の長い方から、電波・赤外線・可視光線・紫外線・X線・γ線と呼び分けられています。
人間の目で見えるのは「可視光線」のみで、それ以外は人間の目には見えませんが、通信や放送などの長距離の情報送信に利用される 「電波」、熱として感じることのできる 「赤外線」、レントゲン写真やX線CTなどで利用される物体を透過する「X線」で構成されています。
紫外線は、可視光線よりも波長が短い不可視光線の総称で、100~280nmの「UV-C」、280~315nmの「UV-B」、315~480nmの 「UV-A」の3種類に分類されます。
紫外線ランプの種類
冷陰極オゾンランプ
陰極を加熱しないで電子放出をおこなう冷陰極ランプです。
バルブに185nmの波長を効率よく放出させる石英ガラスを用いることで、オゾンの生成が可能になりました。コンパクトで、平均寿命は10,000時間と長寿命なので、オゾン生成用の光源として使用されています。
ペン型低圧水銀ランプ
185nmと254nmのスペクトル線を高安定で放出するペン型の低圧水銀ランプです。オゾンモニター計や分光器の波長校正、水質汚濁計などの光源として使用されています。
低圧水銀ランプ
点灯中の水銀蒸気圧が1~10Pa程度で、185nmと254nmの波長を効率よく放射する紫外線ランプです。185nmの波長はオゾン線、254nmの波長は殺菌線と呼ばれ、洗浄や改質、殺菌など幅広い用途で使用されています。
高圧水銀ランプ
点灯中の水銀蒸気圧は0.5~5.0MPa程度で、幅広い紫外線領域のスペクトルを有しており、特に250~320nm、365nmに強いスペクトルを持っています。UV硬化性樹脂や接着剤、塗料の硬化などに活用されています。
メタルハライドランプ
高圧水銀ランプをベースに金属ハロゲン化物を加えたランプです。365nmを中心に250~450nmの連続したスペクトルを放出します。UV硬化性樹脂、接着剤、塗料の硬化などに活用されています。
光化学反応用光源
可視光および紫外線などの光エネルギーによって開始される光化学反応の専用光源。石英保護スリーブ、反応タンク用取付フランジ、冷却機構が一体型となったタイプです。
光源は、高圧水銀ランプとメタルハライドランプの2種類です。
超高圧水銀ランプ
106Pa以上の水銀蒸気中のアーク放電の発光を利用する高輝度点光源です。紫外から赤外まで幅広く分布し、365nm、405nm、436nmの輝線スペクトルが強く放出されています。露光、硬化、接着など様々な分野で活用されています。
水銀キセノンランプ
紫外線域で高いエネルギーが得られるキセノンガスと水銀を混合封入したランプです。紫外から赤外域に連続したスペクトルと紫外から可視光域に強い輝線を合わせ持っています。あらゆる産業・研究分野で活用されています。
キセノンランプ
キセノンガスを封入したランプで、紫外光から可視光域まで幅広い連続スペクトルを持っています。太陽光に近く演色性が良いため、自動車業界(デザイン・検査)や印刷業界(調色評価)、塗料業界(色評価、乾燥)などに幅広く活用されています。